1.シャーリング加工とは
シャーリング加工とは、シャーリングマシン(せん断機)を用いて、鉄やアルミ、ステンレスなどの鋼板を任意の寸法にせん断する加工です。
シャーリング加工機には、ハサミのように上刃と下刃が付いており、その両方の刃で金属板を挟むような形で切断を行っています。上刃は、下刃と比べて角度が付いているためシャーリング加工を用いることより、板を直線的に切断することができます。
2.シャーリング加工機の種類
シャーリング加工機には主に5つの種類があります。
①機械式(メカ式)シャーリングマシン
機械式シャーリングマシンは、切断する刃物が押し下がる動力が機械式になっている加工機です。加工速度が速く、メンテナンス性に優れています。ただ、厚板の鋼板加工には対応していない機種が多く、6mm以上の鋼板の切断には、適していません。
②油圧式シャーリングマシン
油圧式加工機は、切断する刃が油圧によって動く加工機です。機械式と比較して、加工速度は速くはありませんが、安定した油圧により厚板も切断でき、切断面もきれいに仕上がります。
③足踏みシャーリングマシン
足踏みシャーリングマシンは、足元に設置されたペダルを踏んで刃を上下させる加工機です。機械式・油圧式シャーリングマシンと比較して、動力が小さく、価格が低いため、コストを抑えながら、薄板を加工する場合に適しています。
④コーナーシャー
コーナーシャーは、材料の角(コーナー)部分に切り欠きやせん断を行うための加工機です。
機械式や油圧式が金属板を直線状にせん断するのに対し、コーナーシャーは、コーナーカッターとも呼ばれ、V字型や直角に角をカットでき、箱型の製品を作る際などに使用されます。
⑤バイブロシャー
バイブロシャーは、刃を振動させて材料のせん断を行う加工機です。機械式や油圧式、足踏みシャーリングマシンは、直線の切断しかできませんが、バイブロシャーは曲線でのせん断も可能です。
3.ダレやバリの発生を抑えるために気を付けるべき、シャーリング加工のポイント
シャーリング加工は、上刃を加工する鋼板に押さえつけて切断をするため、
- 切断上部には、上刃に押さえられて丸い跡ができる「ダレ」
- 切断下部には、上刃によって鋼板が引っ張られているような状態の「バリ」
が発生します。
こうした、ダレやバリの発生を抑えるために気を付けるべきシャーリング加工のポイントは主に以下の2つです。
①クリアランスの調整
1つ目は、クリアランスの調整です。
シャーリング加工では、上刃と下刃に発生する隙間をクリアランスといい、適切なクリアランスで切断しなければ、バリやダレの原因になります。
②シャー角の調整
2つ目は、シャー角の調整です。
シャーリング加工機は、下刃は垂直ですが、上刃には角度がついています。これをシャー角またはレーキ角と呼びます。
一般的に、シャー角が大きいと力が少なくすみますが、むやみに大きくするとたわみ(ボウ)、ねじれ(ツイスト)、反り(キャンバー)などが起こりやすくなります。
そのため、材料の種類や厚み、作業速度に応じた適切なシャー角の調整が必要です。
4.高精度・高品質のシャーリング加工は、西壱金属にお任せください!
こちらの記事では、シャーリング加工の概要について解説をしました。
西壱金属では、関西・中部エリア一円のお客様に、シャーリング加工をはじめ、レベラー・スリット加工品をお届けしています。材料は、日本製鉄を中心に、様々な国内外メーカーの鋼材を取り扱っているため、お客様の求める条件に応じて、最適な鋼材を選定することが可能です。
また、シャーリング加工後の、曲げ・穴あけ・プレス・レーザー・溶接・塗装などの後加工まで、近郊の加工協力ネットワークを活かして一貫対応可能な体制をしています。
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